サイズ 約130㎝四方(フリンジ部分
は含まない)
フリンジ 10㎝
素材 linen
技法 刺繍(カットワーク)
クロシエ(かぎ針編み)
枚数の許す限り画像を提供していますが、写真ではとてもお伝え出来ない程圧倒的にゴージャスな逸品です。
中心部を極細のlinen糸で織られた手触り良くかつきめの細やかな布にカットワークと刺繍を施し、糸を贅沢に使用し豪華さを演出するフリンジへ至る周辺部はクロシエ仕上げ。
全体の意匠,技術の精巧さ,そして何よりもこの作品を逸品に見せている最大の特徴は、その「色」!
「白」です。
ヨーロッパへ行く度に、よく見かける白い布で作られたヴィンテージ衣装、寝具、インテリア装飾品の数々にはいつも心を引かれる。
終日開催される街を挙げてのブロカントや、近郊農家の新鮮な収穫物や、地産の蜂蜜,手作りパンなどの食料品がメインのマルシェの片隅に周りのカラフルな見栄えとは違い「白い布物」専門店を見かける事がある。
ヨーロッパらしい暮らしの機微がキッチリと畳まれ,積まれ、所狭しと吊るされている。
日本の古物市では、藍色が基本の古布専門店か着物の新品屋といったところ、、、。
では、ヨーロッパにおいて「白い布」が好まれた背景とは?
中世以降,リネン「亜麻布」は家庭や修道院で広く用いられ,煮沸漂白によって衛生を保つ事ができた。「白い布」は汚れを見つけ易く再び漂白することで「純白」に戻す事が可能だった。
しかし、その白はキリスト教世界に於いて「純潔」「神聖」「真理」の象徴でもあった。そのため、寝具においても白は,「清らかな魂で眠れること」を意味し宗教的,道徳的な秩序の色となった。
また,19世紀ビクトリア朝では常にシーツを白く保つ事がアップスケール層の証であり,文明化された生活を象徴するものとして家庭の理想像となった。
以上「身体に近い布は白色」が当たり前という概念の背景には興味深い歴史的,文化的必然性がある。
ヨーロッパ人の世界観,価値観も垣間見られる考察材料でもありますね。
出品の作品は、そんなヨーロッパのエスプリを感じていただけるお品です。
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